京都河原町・GOOD NATURE STATION のグッズ活用事例
登録者数38万人・夫婦YouTuber 台湾ですぐれた ”日式商品” が売れるワケ
アジア圏を中心に38万人の登録者を抱えるYouTuber、その名も “Nihonjinfufu” (日本人夫婦)。動画での発信力を活かし、小確幸商店というECサイトを運営し、すぐれた日本の商品を主に越境EC販売。主にアジア圏のファンを拡大されています。どんなコンセプトで運営されているのでしょうか。これまでメディア取材や執筆を断ってきたというお二人に、本邦初インタビューの機会をいただきました。
台湾在住・日本人夫婦YouTuber はいかに生まれた?
- 今回は貴重なインタビューの機会をいただきありがとうございます。お二人は台湾に移られたのはいつ頃の事だったのでしょうか?
妻: 2010年9月に夫の仕事がきっかけで、私たちは台湾に移り住みました。夫は飲食関係の仕事をしていて、私自身はいわゆる”駐在妻”でした。ただ、”駐在妻”は性に合わなかったんです(笑)。当時は現地の言葉も分からないなかで、手に職をつける仕事を始めたいと思って、まつ毛サロンをはじめました。自宅のマンションの一室で、シャンプー台もないところから。実は台湾ではまつ毛サロンの営業に美容免許が必要なかったのもポイントで、日本では全く畑違いの仕事をしていたにも関わらず、思い立ってから日本のスクールに通いなおして、ひっそりと始めたんです。
夫: 僕は飲食の仕事をしていたのですが、妻が1人で始めた自宅サロンが、最初は現地で知り合った日本人の友人だけだったのに、あれよあれよと口コミで広まってしまい、そのうち会社化して、人を雇って、と、どんどん大きくなっていき、最終的には4店舗・30人くらいの従業員を抱える規模になりました。最後には高雄のデパートに出店したりして。そうしたなかで、僕は飲食の仕事を辞めて「専業主夫」 として妻をバックエンドでサポートしていこうと。攻守交代してちょっと変わった夫婦関係になったんです。
- 攻守交代、素敵ですね。そこから”nihonjin fufu” としてYouTuber活動を始めるようになったキッカケは?
妻: まつ毛サロンのお店は10年ほどやっていたのですが、大きくなっていくにしたがって、どんどん経営側に軸足が移っていきました。それで起きたことは、私自身がお客様に会わなくなっていって、仕事がつまらなくなってきちゃったんですよね(笑)。人を管理することはあまり好きではないというか、自分はクリエイタータイプなんだと気がついたんです。
夫: そんななか、2019年頃からYouTubeは趣味の一貫として始めていまして。元々美味しいものに目がない2人だったので、最初は夫婦ふたりで、台湾の食べ歩きVlog みたいなことをやっていました。もともと妻はテキストのブログは20年くらいやっていて、発信したり表現することは好きだったんです。
妻: そう、ちょうどその頃って、日本人の間で台湾ブームみたいなこともあって。それでちょこちょこと食べ歩き動画をアップしていたんですけど、これにも問題があって。とにかく食べ続けなくちゃいけなくなるので、ちょっとこれは続けられないかなと思っていた矢先に・・・
夫: 新型コロナが広がり始めました。
コロナ禍にはじめた料理動画。台湾人は日本人の生活に興味津津と気づく
妻: 外出の厳戒令が出る状況で食べ歩きもできないので、料理動画をアップしはじめてみました。当時、台湾にいても日本の調味料や生活雑貨にこだわりたいと思って、個人で日本の商品をよく取り寄せていたんです。動画を投稿してみると、アップしていた動画のなかで中国語の動画だけが勢いよく視聴されていました。それではじめて、台湾の人たちは日本人の生活に興味があるのかもしれない、と気がついたんです。
視聴者の方たちからは「その醤油はどこで売ってるの?」「そのみりんはどこで売ってるの?」とコメントが多く付いていて。外食文化が浸透している台湾では、コロナになってはじめて料理を始める人もいたみたいで。健康的な食事へのニーズもあったんだと思います。
夫: タイミングも手伝って、じきにYouTubeの登録者数も10万人を越え、広告収益がある程度入るようになってきました。そうしたなかで、台湾でも一緒に暮らし、23年間連れ添ってきた愛猫を看取りました。それがきっかけで日本に戻ることを決めたのが2023年のことでした。
帰国後・越境ECサイトを立ち上げでグッズを活用
- 帰国後のECサイトを立ち上げる段階からグッズをご利用いただいていたとのことです。
夫: まず、日本に帰ってきてから夫婦で決めていたことがありました。それは、好きなことだけを仕事にしていきたいね、ということです。そうして、団地暮らしをしながら小さな事に喜べる生活をスタートしました。
越境ECサイトをつくろうと思ったきっかけは、台湾にいた時、大好きな醤油を自社で輸入販売しようとしました。ところが、食品輸入には政府発行の産地証明書や成分検査データなど、越えなきゃいけないハードルが山のようにあって、小さいけど昔ながらの製法で作っている醸造所などはこのハードルを超えるのは至難の業だと思い知りました。そこで、B2Cであれば越境で販売しやすいし、ロジスティクスも充実しつつある状況のなかで、日本からだったら自分たちが気に入った調味料や食材もダイレクトに視聴者に届けられるのではと、気付いたんです。ECサイトの立ち上げは、本当に手探り状態でした。CSV? SKU? そういう専門用語も一から覚えながら、サイト構築を進めていきました。
いざサイトの準備ができても、今度は仕入先と取引を始めることが非常にハードルが高かった。
会社も設立したばかりで信用もなく、取り合ってくれるメーカーさんが少なかったんですね。YouTuberとしての活動やフォロワー数をお伝えしてもあまり反応がなくて。
そんななかでグッズをたまたま見つけました。小確幸商店のコンセプトに合っていて、他のモールでは出ていないようなキラリと光る商品、大量生産していないような商品が沢山あったんです。
グッズに登録するとたくさんのブランドと一気に取引ができるようになりますよね。
そしてグッズで仕入れた商品をECサイトに陳列すると、今度はメーカーさんからの見られ方も変わったと感じました。独自サイトを立ち上げるといってもなかなか信憑性が薄かったのが、メーカーさんから見ても、「良い商品を取り揃えているECサイト」という風に見てもらえるようになって他の取引もしやすくなったのです。
YouTube, 越境EC, グッズ - 5年前では考えられない技術変化
-立ち上げたEC事業も順調に伸びていらっしゃるかと思いますが、どのようにグッズで商品を選んでいますか?
夫: まず妻が最初に気になるものをセレクトします。ブランドの情報をスクリーニングしながら、例えば国産、オーガニック、エシカルなどのキーワードで探しています。それを実際に仕入れて取り寄せてみて、自分たちの生活のなかで使い込んでみてしっくりくるものを本格的に発注するという流れです。あとはグッズが主催しているウェブ展示会にも参加して、アーダ・ブレーンさんとお付き合いが始まったりもしましたね。
妻: そうなんです。アーダ・ブレーンさんは白色ワセリンの商品がとても素晴らしくて。日本の技術が注ぎ込まれていてベタベタしないんですよね。それを動画で説明するとすごく売れました。
ほかにも、poCoaのわたばなタオル!私たちはライフスタイルとして肌断食や脱シャンプーの生活をずっと送っているのですが、アジア圏は湿度が高いのでシャンプーを辞めることってすごくハードルが高くて。そして薄毛・脱毛に悩む方も多い。このタオルはその問題を解決できる商品で、これも日本の伝統技術・縫製技術が使われています。
私たちの視聴者やお客さんは中華圏の方がメインで、背格好や体質が日本人とも似ています。だから自分たちが良いと思ったモノが、ちゃんと伝わる実感があります。
夫: YouTubeの仕組み、越境ECの仕組み、グッズでの仕入れなど、5-10年前には存在していなかったことばかり。こうしたものを組み合せて、良いモノを広げていきたいと思っています。
今後の展望とグッズへの要望をお聞かせください。
夫: 日本の良いモノを海外に発信するサイトの中で、一番認知されるようになりたいですね。
グッズへの要望としては、メーカーさんごとの継続的な供給能力を可視化できるような仕組みがほしいです。せっかく動画を見に来てサイトに来てくれたお客様をお待たせしたりすることは機会損失になってしまうので、ここを解決してもらいたい。
あとは、商品の画像データをもっと拡充してもらえるとありがたいです。それは単に商品画像というより、たとえば利用方法のシーンだったり、トレーサビリティやエビデンスが分かるような情報も含まれます。
-ありがとうございます!グッズとしてもお二人の情熱を支援できるように爆速で進化していきます。